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2020年02月21日(金)

なぜアフリカのケニアがキャッシュレス指数第一位!?(JCAキャッシュレス指数2019参照)

世界中でキャッシュレス化が進む現在、日本から10000km以上離れたところにあるアフリカの一国、『ケニア』で変革が起きています。ケニアがキャッシュレス指数で欧米、中国、韓国を追い抜き、なんと1位に!!
その理由とは!?

この記事ではその変革の全貌をお見せします。

アフリカのケニアがキャッシュレス指数第1位!(2019年)

下部のキャッシュレス指数を表した図では、BIS(国際決済銀行)やWB(世界銀行)ほか、各国の金融当局等が公表する、「現金流通残高のGDP比率」「人口10万人あたりATM台数」「現金給与受取率」「キャッシュレス支払い回数」など、9つの指数を用いてキャッシュレス度を算出したもの。キャッシュレス度は0から100のスコアで表されています。数値が大きいほど、キャッシュレス化が進んでいることを表しています。

そして、なんとケニアが先進各国を追い抜き1位という結果に。ちなみにキャッシュレス化が遅れているといわれている日本の順位は28カ国中27位でした。

引用元:日本キャッシュレス化協会公式サイト

なぜ先進国じゃないケニアでキャッシュレス化が進んでいる!?

ケニアで著しくキャッシュレス化が進む理由は大きく分けて2つあります。

キャッシュ化の遅れ

ケニアにおけるキャッシュ化の遅れには、ケニアの多くの貧困層は銀行口座を持つことができないため現金で決済をすることが難しいという背景と多額の現金を持ち歩くことは治安上危険であるために自分を守る上でもキャッシュレス決済の方が安全であるという個人の意識が関係しています。

携帯・スマホの普及に伴う決済サービス「M-Pesa」の普及

引用元:fina-sol【最先端のアフリカ・フィンテック!経済を大きく変えた電子マネー「M-PESA(エムピサ)」】

電気や水などのインフラ整備が圧倒的に足りてない一方で、この10年で情報通信産業が発展し、いまや携帯・スマホなどのモバイル普及率は人口比100%を超えています。ネット普及率も72%を超えています。

その中でケニアの通信大手のSafaricomが提供するM=Pesaがユーザー数2700万人を超えケニアの人口比約60%に達しました。M=Pesaは簡単に言うと携帯電話で送金から出金・支払までなんでもできるモバイルマネーサービスです。銀行口座を必要としていないため、銀行口座を持たない多くの国民に受け入れられています。公共料金や教育費などの支払い、給料の受け取りも今やM-PESAを介して行われています。なんとケニアのGDPの約5割を超える金額がM-Pesaでは動いています。またM-Pesaは手数料が高いため、そこに競争の余地があり、これからサービスのさらなる向上の可能性を秘めています。

 

ケニアのキャッシュレス普及から見えること(考察)

インフラが整っていないからキャッシュレス化できないというよりは、むしろ携帯・スマホが普及したケニアにはインフラが整ってないからこそ、様々なイノベーションが生まれると思っています。そしてキャッシュレス化によりそのイノベーションが生まれる土壌は更に肥えたものになると思います。

一方で日本はインフラが整っており今の現状に完全に満足しておらずとも、人間特有の現状維持バイアス(現状を変えることによって何かを失うという不安が何かを得られるかもしれないという期待を上回ること)と損失回避性(無意識に得をするより損を回避しようとする性質)にとらわれキャッシュレス化が遅れているという見方もできます。

LINE PayとM-Pesaの類似点と相違点

引用元:LINE Pay公式アカウント

LINE Payとは異なり、M-Pesaは通常の電波を使ってショートメッセージで送金するシステムでガラケーでも送金可能となっています。また、M-Pesaは個人の情報を全てSIMカードに集約されています。 類似点として、LINE Payはクレジットカードを所持していなくても、個人のアカウントへコンビニや銀行口座などから直接チャージが可能。また、LINEアカウント同士で送金、入出金が可能です。

LINE PayとM-Pesaの決定的違いはその普及背景にあります。ケニアでは国民の大部分は貧しい暮らしを強いられているので、銀行口座を所有できず、また、銀行からの送金は手数料が高いため負担が大きいという背景がM-Pesaにはあります。その需要のために多少手数料が高くても利用者に支持されています。

LINE Payに関する記事はこちら↓

https://c-less.info/567

まとめ

以上、なぜアフリカのケニアがキャッシュレス指数第一位!?(JCAキャッシュレス指数2019参照)でした。

ケニアにおいて①キャッシュ決済が普及していないことと、モバイル普及率の高さがあり、そこにきキャッシュレス決済の需要が生まれ、キャッシュレス化が発展しました。

M-Pesaはその送金システムの利便性によって、公共料金や教育費などの支払いから給料の受け取りに至るまで活用されています。M-Pesaと同じモバイル決済サービスであるLINE Payは日本でどのように成長していくのか注目を集めています。

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