統一QR決済【JPQR】とは?導入するメリット・デメリットは!?
目次
キャッシュレス決済が遂に統一化
国内スマホ決済大手8社がJPQR普及事業に参画し、統一QR決済【JPQR】が2019年8月1日にリリースされました。今日、約40種類ものQR決済サービスが乱立し、事業者、利用者ともに混乱状態に陥っているのが現状ですが、今後、JPQRは現状の打開策になるのか注目が集まります。
この記事では統一QR決済JPQRについて詳細に説明しています。
なぜ統一QR決済JPQRが登場したのか?
主な理由は事業者側と利用者側の混乱を緩和するためです。では、実際にどのようなことに悩まされているのでしょうか?そして、JPQRはどのようなソリューションを提供してくれるのでしょうか?両者の観点から具体的例を挙げてみました!
事業者側
各スマホ決済会社に導入申請をする手間がかかる。
⇒複数のスマホ決済会社と同時に契約できるため、スマホ決済会社ごとに契約しないで済み、手間が省けます。 どの会社の決済サービスを導入したらいいかわからない。
⇒1つのQRコードで最大8社(CPM方式では最大9社)の決済サービスに対応しているので、JPQRを導入すればある程度の決済手段に対応することが可能です。
利用者側
どの会社の決済サービスを利用すればいいかわからない。
⇒JPQRに対応しているQR決済を利用すれば、JPQRを導入する事業者が増えた際に利用者の利便性が高まります。
普段利用している決済サービスが利用できない店舗がある。
⇒JPQRを導入する事業者が増えれば、利用者の利便性は向上します。
実施場所と導入事例について
2019年8月1日から岩手県、長野県、和歌山県、福岡県で先行実施されています。
現在(2019年10月28日)でも実施地域は上記の4県です。
今までに約5700店舗が導入済みであり、中には明治37年創業の老舗店舗で導入されている事例もあります。
実際に導入された方の意見として、QRの普及によって、現金の保管リスクが抑制されるため導入したというものもありました。
個人商店は利用者提示型(CPM方式)よりも店舗提示型(MPM方式)を導入すべき!
まず、キャッシュレス決済には主にMPM方式とCPM方式の2つの方法があります。
簡単にMPM方式とCPM方式を比較した表を作成してみました。
コスト | QRコードの掲示 | |
---|---|---|
MPM方式 | 低い | 店舗提示型 |
CPM方式 | 高い | 利用者提示型 |
表から、CPM方式よりもMPM方式の方がコストは抑えられ、参入障壁も低いのがわかります。この記事ではMPM方式の導入を前提に説明していきます。
導入するメリット
QRコード決済の混乱を緩和できる
QRコードを統一化することで、冒頭でも述べたようにQR決済が乱立し混乱している現状を緩和することができます。
統一QR決済導入以前は、店舗側にとってはスマホ決済サービスごとにQRを出し分ける必要があることや利用者が提示するQRコードによっては店舗側が未対応の場合もあり、利益を損なう機会も少なくありませんでした。
しかし、統一QR決済JPQRを導入することによって、MPM方式では1つのQRコードだけで最大8社の決済サービスに対応することができ、機会損失を防ぐことができます。
また、導入店舗が拡大すれば、利用者側がQR決済を利用できる機会が増え、MPM方式の決済方法であれば簡単かつスピーディーに決済することが可能になります。
複数のスマホ決済サービスに一括申し込み可能
複数のスマホ決済サービスを導入する場合、今までは会社毎に契約する必要がありました。
しかし、JPQRを導入する場合、1回の申し込みで複数のスマホ決済会社と同時に契約することが可能になります。つまり、1社1社とその都度契約しなくて済むようになります。
そして、申し込みできる決済サービスは以下の通りです。
引用元:JPQR公式サイト 事業者のみなさま向けページ
(リンク先:https://jpqr-start.jp/business/index.html)
既に6社のサービスが提供されており、12月以降はd払いが、2月以降はLINEPayのサービスがスタートします。
*Yoka!Pay、ゆうちょPayは同時申し込み不可能で、いずれかの選択となるそうです。他にもいくつか注意点があるので、JPQR公式サイト事業者のみなさま向けページ(
https://jpqr-start.jp/business/index.html)で確認してみてください!
また、一括申し込みされた方限定で海外のQR決済サービスALIPAYとWeChat Payの申し込みも可能になります!海外のQR決済サービスを導入することでインバウンド需要にも対応できるので、売上や集客力アップにもつながります。
引用元:JPQR公式サイト 事業者のみなさま向けページ
(リンク先:https://jpqr-start.jp/business/index.html)
決済手数料が優遇される
決済サービス名 | au PAY | Origami PAY | J-Coin PAY | ゆうちょPAY | YOKA! Pay | メルペイ | LINE Pay | d払い | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
JPQR機供開始予定日 | 10月1日 | 8月1日 | 8月1日 | 10月1日 | 10月1日 | 8月1日 | 2020年2月末 | 2019年12月以降 | |
手数料 | 【優遇期間】 ~2020/6/30 | 0% | 1.0% | 1.0% | お近くの商工団体にお問い合わせください | 1.5% | 0% | 1.8% | |
2020/7/1~ | 变更無(0%) 2021/8/1以降 3.25%予定 | 変更あり (3.25%予定) | 変更あり (登録金融機関により異なる) | 変更無(1.5%) | 变更無(2021/1/31までは0%,以降は2.45%) | 変更あり (3.24%) |
引用元:統一QR【JPQR】普及事業 事業者向け説明資料 -店舗提示型(MPM)-
(リンク先:https://jpqr-start.jp/business/pdf/iwate0829/jpqr_soumu.pdf)
2020年6月30日までの期間、決済手数料は最大1.8%であり、なんと決済手数料がかからない決済サービス会社もあります。優遇期間以降も決済手数料の変更をしない会社は少なくありません。手数料は会社の利益に直接的に影響するため、JPQRを導入することでコストを削減できることは確実に大きなメリットになるでしょう。
導入するデメリット
申し込みからサービス開始まで時間がかかる
「来週から導入したい!」と思っても、申し込みからサービス開始まで約1ヶ月程度かかってしまいます。 なので、導入を検討されている方は早めに申し込みましょう。
網羅的にはスマホ決済サービスに対応していない
国内スマホ決済大手8社の他、中国のスマホ決済2大巨頭であるALIPAYやWeChat Payにも対応しているものの、あらゆるスマホ決済会社に対応しているわけではありません。
例えば、楽天株式会社が運営する楽天ペイには未対応です。
そのため、楽天ペイユーザーの需要は取り込むことはできません。
しかし、JPQRに参画しているスマホ決済サービスだけでもある程度の決済サービスには対応することが可能です。
なので、JPQRを導入した後、他のスマホ決済サービスユーザーの需要も取り込む必要性を感じたら、他のスマホ決済端末を追加的に導入するのがいいのではないでしょうか。
導入までの流れ
STEP1 事業概要の理解・申込書の記入
事業の概要や導入可能な決済サービス、各決済サービスの特徴などを理解し、申込書を記入しましょう!
申込書のダウンロードはこちらから(https://jpqr-start.jp/business/index.html#p01)
STEP2 商工団体へ提出・審査
記入した申込書を印刷し、商工団体へ提出し審査してもらいましょう!
STEP3 JPQRのスタートキット到着
JPQR普及事業加盟店としてスタートするための資材が郵送されます。
決済サービス会社の毎の利用手続き完了次第、決済が可能になります!
*ステップ毎に枠組みのデザインをしたいです。
https://jpqr-start.jp/business/index.html#p01の統一QR【JPQR】導入までの流れは?の部分を参考
まとめ
以上が統一QR決済【JPQR】とは?導入するメリット・デメリットは!?についてでした。
日本政府は2025年までにキャッシュレス比率40%を目標に掲げ、キャッシュレス推進事業に取り組んでいます。そのため、日本のキャッシュレス化は進んでいき、QR決済の普及は年々拡大するでしょう。統一QR決済【JPQR】も例外ではありません。なので、この機会に是非統一QR決済【JPQR】の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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